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2017年11月13日 (月)

テレ朝『シンゴジラ』考 ネトウヨ・安倍さん・萩生田が絶賛? 彼らと真逆の意味で絶賛する私

 ※今回はニュースから離れた単なる番組感想です。興味ない方は読み飛ばして下さって結構です。

昨日テレビでやっていた映画『シン・ゴジラ』。放映当時はいろいろ物議を醸したらしいが、私もやっと見た。行きつけの美容師の若者が「ぜひ見ると良い」と言っていたので期待せずに視聴(失礼)。

見た感想としては、想像以上に面白かった。「自衛隊が活躍するからネトウヨが大絶賛してる」「リアリティがない」「原発事故を安易にネタに使ってる」「安倍や萩生田が絶賛している」など、マイナスの前情報があったため構えて見たが、見終わると逆に何で安倍とかが絶賛したのかと首を捻ってしまった。


私の読解力のなさのなせる業なのか、あまりそういったことは気にならなかった。個人的には普段安倍政権に怒っている人ほど楽しめる映画だったのでは、と思ったほどだった。

感性の違いかもしれないが、劇中の台詞に政府の仕組みやアメリカを揶揄する言葉が多く、とくに「日本はアメリカの属国だ。逆らえるわけがない」「いつもアメリカは無理を言う」「日本で熱核兵器を使うだと?ふざけるんじゃない。なんて奴らだ」「他人事だと思って」など、うろ覚えだがかなりアメリカ批判が飛び出していた。

しかもアメリカがゴジラの血液サンプルを日本政府に無断で回収し、日本が後から採取できないよう、勝手に焼却処分をしていた、というくだりは、この間の高江ヘリ墜落事件を思い起こさせる。

かなりボーダーラインすれすれでアメリカ批判を行っていた印象で、よく安倍や萩生田がこれを見過ごした挙句、喜んでいられるな、と感心した次第だった。私は彼らが感性や読解力ゼロで、派手なアクションシーンに気を取られ、上っ面で満足したためではないかと思っている。

なんにしてもこの映画を、北朝鮮危機や米軍問題の燻るこの時期に放送したテレビ朝日が面白い。私のような受け取り方をした国民が多ければ、安倍たちとは違う意味で溜飲が下がってのではないか。


政府内に、個性的だが多くのまともな役人たちが登場し、長谷川博己演じる責任感あふれた官房副長官が仕切って解決へと進んでいく。当時萩生田はその官房副長官だったので余計に感情移入したらしいが、自惚れにもほどがある。

長谷川官房副長官は事態の正確な把握を優先し、国民への被害を最小限にしながら「あらゆる選択肢」をもって事態収拾への解決をはかった。まるでスタンスが真逆であり、制作監督の庵野氏はその皮肉をこめて「こうあるべき」政府を描いたのではないか。

本当に巷で言われるように「日本スゲー」的な都合の良い幻想を流すだけなら、それこそ『ゴジラ』というブランドを使う必要も、映画にする必要もなかったろう。

だから『リテラ』の今日の記事には少々首を傾げてしまった。


『加計問題で圧力の安倍側近・萩生田官房副長官が「シン・ゴジラを観ろ!」 事務次官会議での発言を前川前次官が明かす』 リテラ2017.11.12.  http://lite-ra.com/2017/11/post-3581_2.html

いつも舌鋒鋭く安倍批判をしている『リテラ』のこと、私の感性が間違っているのだろうか、と不安を持っているが、こんなにアメリカの行いを批判する映画なのに、という疑問はなくならない。

政府がすんなり国民側の安全を優先して動いていく有様は勇気づけられるが、それは「現実はこうではありませんよ」「実際本気でやれば役人もここまでできるんです。できないのは彼らがさぼっているからですよ」という、ファンタジー小説ではお決まりの描き方。皮肉・約束事だ。それを「ご都合主義だ」と言うのはエンタメの楽しみ方を知らない人の言い草では、と思ってしまう。

映画を見ていて思ったのは、現実に安倍政権がこういった有事の際、本当に国民の安全を考えて動くだろうか、ということである。安倍政権は過去、中東に行った平和活動の若者を見殺しにし、ISを煽る演説をした前科がある。今も関係ないのに北朝鮮を煽って危機を『自ら』作り出している。おまけに原発事故に対する補償も消極的で、削減へと舵を切っている。

おそらく仮にゴジラが来る緊急事態になっても、この政府は多くの国民を見殺しにするだろう。そしてさっさとシェルターに閉じこもって大本営発表を続けるだろう。アメリカの言う通りに動き、最後には都心部での核兵器使用を許可、核エネルギーで動くゴジラを核で爆破、地球の4分の1を消し飛ばす大惨事を起こすだろう。


緊急事態条項の発動についても劇中では描かれ、それを問題視する声も聞かれるが、総理演じる大杉漣は官房長らから発動を迫られ、その責任の重さのために迷う。この姿には改憲した上、共謀罪等の国民監視のもと、独裁を続けようとするどこかの首相とは全く違うスタンスが垣間見える。本来その重責のため、悩みに悩みぬいた末に発動を下さねばならない立場だということを、皮肉を通して提示しているのである。


映画で感じた一番の問題提起、それは武器というものの恐ろしさと、その無意味さである。

劇中、自衛隊がヘリから機関銃やミサイルを飛ばしてゴジラに攻撃をしかけるシーンがある。これをどう都合よく受け取ったか、ネトウヨは歓喜しているらしいが、これほどの殺傷兵器が我が国にたくさん配備されていると思うと怖くなる。『軍』ではないのでこれ以上の大規模な兵器は持っていないのだが、それでもあんなものが自分に向けられたらと思うとぞっとする。

逆に言えば、そんなことは早々起こらないのにもかかわらず、あれだけの兵器が配備されており、消費されているのである。

この映画のクライマックスは、個人的にはゴジラが米軍の攻撃によって新たな「進化」を遂げ、口からビームを放射するシーンである。これは相当な、武器至上主義のアメリカへの批判、皮肉というべきシーンではないかと思った。

強力な殺傷兵器を持つアメリカは、要請もしていないのにゴジラへの攻撃を報告、最新戦闘機でもってゴジラの身をえぐる地中掘削型爆弾を降下する。

それも米軍の爆撃予定範囲は劇中の役人を「こんなに広いのか」「むちゃくちゃだ。ゴジラより大変じゃないか。避難を急がせろ」と言わしめるものであった。

血しぶきをあげて苦悶の声をあげるゴジラに政府要人らは歓喜喝采し、「さすがアメリカだ」と叫ぶ。

ところが、身に危険を及ぼす悪意と兵器に(怒り?)、新たな「進化」を見せる。それにしてもゴジラの体を引き裂く爆弾は、現実に世界のどこかで人間相手に使われ、今も殺人を繰り返している。そのことに気付いた私は、心から恐ろしくなった。

ゴジラは体内の原子炉による原子力ビーム砲を得て、背びれからも放出する無敵の存在となる。ゴジラのビーム砲に最初に犠牲になるのは自衛隊ではなくアメリカ軍だった。「三機撃墜?バカな?!」と驚く駐日大使の台詞がおかしかった。

力に自信を持つアメリカが強引に介入した挙句、相手を怒らせてパワーアップさせ、報復を受けて全滅、しかも当事者である日本には「ゴジラのパワーアップ」という、収拾のつかない負債を残してしまった。

これ、イラクやシリアに勝手に介入した挙句、事態を悪化させたアメリカ政府を思わせる演出である。


そしてあのゴジラビームは「原子力エネルギー砲」であり「放射能光線」でもある。ゴジラは海から上陸した挙句、まっすぐに都心部・千代田区・永田町へ向かい、「放射能ビーム」で汚染し、焼き尽くす。そのさまは博士の怨念ならぬフクシマ被害者たちの怨念の成す業であろうか。これを「安易な比喩」と片づけることは少々遊び心がなさすぎると言わざるを得ない。


結局核兵器使用という、アホしか思いつかない解決方法をごり押しするアメリカ政府に、長谷川博己たちは頭脳をつかって奔走する。方々のコネを使い、ドイツやフランスに手伝ってもらい、ゴジラの体内構造を解明、解決手段を発見する。

ゴジラを呼び起こしたのは、放射能に妻を殺された博士の怨念ではないかともほのめかされ、実際無事ゴジラを凝固剤で凍結したのちのラストシーンでもそれは現れる。尻尾の先に苦悶する人間たちのシルエットが描き出され、放射能、ひいてはそれを扱う者の愚かさへの怨念がテーマでは、と最後にわかる内容だった。



確かに従来のゴジラ映画とは、語る方向も描き方も怪獣デザインも異なるが、これは『ゴジラ映画』へのパロディ・あるいはオマージュと思えば納得できるのではないかと感じた。


作品の受け取り方は人の数だけあるだろうが、私は「放射能問題・原発問題を忘れるな」「アメリカにいつまででかい顔させるんだ」「安倍政権は仕事しろ」というような製作者側のメッセージと受け取った次第。


そういえば以前、小泉元首相が忠臣蔵が好き、と言っていたのを思い出し、安倍たちがこの映画が好きというのを考えた。小泉はなぜか『討ち入る』側に感情移入して観ていたようだが、実際は彼は『討ち入られる』権力側だ。何を勘違いしていると当時も笑ったものだが、今回の安倍たちも同じなのだろう。

権力乱用を繰り返す自分を棚に上げ、気持ちのいい部分だけ受け取って喜んでいる。この国に居座っているのは、そんな幼稚な思考の大人たちである。

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